見たり読んだり、なにか発見したり。

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 2012年もスタートを切った。元日早々、エレベーターの中で震度4の地震に遭遇し
 肝を冷やしたが、これも神様からの「慢心に活を入れる」ための戒めとしよう。

 人生も折り返し地点、というか自分的にはすでに3分の2くらい過ぎた気でいるので
 そろそろ人様のお役に立てる人間にならないと、と痛切に思います。
 去年のようなことがあればなおさら、その気持ちが募る。

 同級生が起業したり、昔仕事でお世話になった方が定年を前に新天地へ羽ばたいたり
 今年の年賀状の報告にも、さまざまな刺激を受けました。

 私もささやかながら自分という根を張って、“学び”と“愛想”と“挑戦”の年にしたい。
 とりあえず、BL以外の本をもう少し読まないとね。

 2011年・面白かった本(基本各10冊)
 【一般書編】
  ・佐々木忠次「闘うバレエ」※竹を割ったような小気味よい文章。行動力と人脈の広さは、
    日本人離れしている。亡きジョルジュ・ドンとのエピソードにはぐっと来た
  ・勝目梓「小説家」※私小説の力を思い知らされた
  ・多田富雄「寡黙なる巨人」※震災後にものすごく勇気づけられた一冊。壮絶で強靭
  ・内田百「阿呆の鳥飼」※半世紀前の日本の鳥飼い(わがままな)の実態。面白すぎ
  ・NHK・東海村臨界事故取材班「朽ちていった命」※安全軽視の怖さについて
    心底考えさせられた。人間は間違いを犯すが、困難に立ち向かう力も備えている
  ・春日真人「100年の難問はなぜ解けたのか」※ペルリマン入門編として
  ・須川邦彦「無人島に生きる十六人」※小学生でも読める易しい文体に
    知恵と勇気と、かつての日本人の美徳が詰まっている
  ・A・M・ペパーバーグ「アレックスと私」※ペット回顧録にあらず。
    博士とアレックスがともに戦う同志だったことがよくわかる
  ・三浦しをん「神去なあなあ日常」※新刊なら別のがあるが、単行本は買わない(汗)。
    丹念な取材をヒューマンな青春物語に昇華するのがほんとうに巧いと思う

 【一般コミック】
  ・今市子「百鬼夜行抄12(文庫)」※話が複雑で、何回も読まないと頭に入らないが、
    相変わらずクオリティが高い。青嵐の立ち位置が絶妙
  ・くらもちふさこ「駅から5分」※各エピソードの絡ませ方、時系列の処理が職人芸の域
  ・ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」※いつも一生懸命なルシウスがどんどん好きになる
  ・吉田秋生「海街Diary」※読むと気持ちが優しくなる。幸姉と佳乃にも新しい恋の気配か
  ・杉本亜未「ファンタジウム」※弱者の立場に立っていても、決してお涙頂戴にしない
    姿勢がいい。昭和の香りがするのも好き
  ・杉本亜未「ANIMAL X」※斬新なテーマに、続きが気になって気になって大人買いした
  ・荒川弘「銀の匙」※農業で儲かるなら、若い働き手も増えると思うのだが、
    実情はちがう。何をどう変えていけるのか、主人公八軒君とともに考えたいところ
  ・よしながふみ「きのう何食べた?」※一年に一度の新刊を心待ちにしている。
    二人の日常のあれこれもさることながら、シロさんが担当する裁判員裁判に興味がある
  ・羽海野チカ「3月のライオン」※ひなちゃんがイジメと格闘する話が続き、読む側もつらい。
    が、ここを越えればきっと新展開があるだろうと

  以下はBL編。 
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2012.01.02 / Top↑
 震災後1ヵ月ほど、仕事以外は家にこもって刺繍などの工作物に励んだり、
 手当たりといった感じで本やマンガを読んでいた。
 BLもたくさん読んだが、さすがに飽食気味になったので
 結果的に積読本の消化に努める1ヵ月になった。

 その一冊が多田富雄「寡黙なる巨人」。日本中がダメージを受けている今、
 なにか知恵を授けてくれるんじゃないかと思いつつ読む。
 これは「死と生」を真正面から扱った鬼気迫るリハビリの記録で、
 科学者の冷静な眼差しで書かれた文体はあくまで端正なのに、
 行間から炎がめらめらと立ち上るようなエネルギーの塊に圧倒された。

 半身麻痺と言語を失う後遺症から、死を願うほどの絶望を乗り越え、
 壮絶なリハビリによって、一つの命と人間の自尊心が再生していくさまは、
 すごいとしか言いようがない。 

 受苦ということは魂を成長させるが、気を許すと人格まで破壊される。
 私はそれを本能的に免れるためにがんばっているのである。

 健康なころ無意識に暮らしていたころと比べて、
 今のほうがもっと生きているという実感を持っていることに気づく。
 

 なかなかこうは言えないだろう。
 この強さを前にすると、被災者でもない自分が途方に暮れていることが恥ずかしい。 
 
 その多田さんは言葉を取り戻すためのリハビリに接し、
 日本の言語療法(ST)が、スキル的にも人材的にも不十分であることを指摘する。
 専門家に任せればなんとかなるはず、と私たちは当然期待するが、
 その専門家がきわめて少なく、しかも十分な技術を持っていないとしたら。
 時間とカネをかけて人材を育てる必要性は明らかだが……
  
 重篤な病気や今回のような災害に直面し、「こうしたい、こうしてほしい」という声が
 病院や行政に届かないことに、黙って耐えている人も多いだろう。
 制度に訴えることは基本としても、民間で何ができるか考えることも必要じゃないか。
 お上に頼る限界について考えざるをえない今回、ますますそう思います。
2011.04.26 / Top↑
 大部のノンフィクションが読みたくなって手にとる。
 最初の3分の1ほど、星新一の父である星一と星製薬について言及しているが、
 (だから正直、なかなか読みすすまなかったのだが)
 この父親の破天荒な人生を知らずして、星新一という人が理解できないことはよくわかった。

 正の遺産、負の遺産を問わず、受けついだものが大きければ大きいほど、
 得るものも、失うものも常人とは桁違いに大きい。
 「若くして地獄も修羅も見てしまったからこそ、醜いことも、嫌なことも浄化され、
 そぎ取られ、毒が毒と感じられないほど口当たりのよい作品」という星さんの作風は、
 生まれるべくして生まれたのだろうし、
 並々ならぬ苦悩と挫折を味わったからこそ、それを跳ね返すためのエネルギーが
 あのショートショートの形になって花開いたのだ。

 生前の文壇の評価に対して、ご本人に忸怩たる思いがあったとしても、
 星新一の作品はこれからも、若い世代に読み継がれていくはずで、
 文学者としてそれにまさる偉業はないと思う。
 
 
2010.10.22 / Top↑
 ある日とつぜん、知り合いの「要請」にのっかる形で出版社を起こした女性が、
 右も左もわからない状態から、
 社員一人の出版社をなんとか軌道に乗せるまでの5年間の奮闘記。
 
 著者と私はほぼ同世代。
 ワーキングホリデーを足がかりに豪州で9年間暮らした経歴があり、
 どこで何をやっても生きていけそうなバイタリティと、
 いい按配の楽観的な性格に惚れ惚れしてしまった。
 失敗し落ち込むことはあっても、安易にあきらめないし、
 また腐りもしない。地道に進みつづける姿勢には、学ぶべき部分も多い。

 私は現在の就職難がウソのような、最後の「売り手市場」時代に
 就活をしていた。(私たちの世代の女を“バブル女”というらしい)
 しかし臆面もなく狙ったのがすべて大手マスコミで、
 何のコネもないうえに本人も無能、当然、1次試験のレベルで滝のごとく続々と落ち、
 やっと引っかかったのが小さな編集プロダクション。
 うちの社長は「出版社は大変だから編プロをつくった」と公言する人で、
 無能社員A(私)は「どんなに弱小でも出版社だったら夢が叶ったのに」と腹の中で思った。
 編プロは出版社の下請け、自分たち(の会社)は版元にはなれない。
 それが、編プロは出版社より格下と思っていた理由だ。

 あれから約20年がたち、(つぶしがきかないので)今も出版界の片隅で
 フリーランスとして食っているわが身。本書を読みながら、
 当時社長が言っていた「出版は大変」という言葉を思い出した。

 取次口座を取得しないと出版社になるのは難しいとか、
 返本&在庫のリスクとか、再販制度と委託制、
 煩雑な書類・伝票処理etc.……
 納品や返本、取次への献本の扱いなど、恥ずかしながら知らないことばかりで、
 実用書としては大雑把かもしれないが、役に立つ情報が多い。

 なにより出版業にたいする著書の愛と、
 あくまで「分相応に」頑張り続けようという冷静な視点が両立していることに
 心ひかれた。
  
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2010.10.21 / Top↑
 8月の読書メーター
 読んだ本の数:16冊
 読んだページ数:3237ページ

 記録的な猛暑の夏、
 満を持して読んだ佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」全3冊。
 走る神様に選ばれた人たちだけがもつ、
 だれよりも早く走りたいという気持ちの熱さとそのきらめき。
 「勝つ」「記録を伸ばす」というシンプルな目的は美しく尊く、
 映像で観ることの多いスポーツの世界を
 文章で意識的に味わう面白さを存分に堪能した。

 同じ佐藤さんが書いたノンフィクション「夏から夏へ」も興味ぶかく読んだ。

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2010.09.05 / Top↑
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