見たり読んだり、なにか発見したり。

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 似たようなテーマ&シチュエーションの「ゼロ・グラビティ」とは、
 また全然違ったアプローチだったが、とても楽しめた。
 2時間半もあるのに、ぜんぜん飽きないし、中だるみもしない。
 脚本の良さや演出、マット・デイモンが上手いってこともあると思うが。

 この映画の印象について、長嶋有さんが「淡々」と言っていた。
 火星にひとり残された主人公は、意識を取り戻した直後から、
 自力で腹に刺さったボルトを抜き、
 水を作り、ジャガイモを育て、生き抜くための知恵を総動員して日々を暮らす。
 淡々、淡々。1日、そしてまた1日。
 彼の相棒はクルーが残した80年代のディスコミュージック(ドナ・サマーとか)で、
 その能天気な音楽にうんざりする姿など、ユーモアも忘れない。

 笑わすでも泣かすでもなく、極力ドラマティックな要素を排して
 サバイバル生活を描いているのが、かえって心に残る。
 もちろん、彼を帰還させるために心を砕く人々の描写が挟まれているからこそ、
 淡々とした日常と好対照をなすわけだが。

 それにしても、ハリウッドの役者の宇宙遊泳の芝居は観てて楽しい。
 彼らのスタイルや身のこなしが美しいこともあるけれど、
 イメージ的に、日本人の役者にはこの動きが似合わないという先入観がある。

 もうひとつ。
 人類はまだ火星への有人飛行を叶えていないわけだが、
 映画の中でもすでにいろいろな廃棄物があって、まだ見ぬ未来の環境破壊に思いをはせる。
 コロニーや乗り物類、各種通信機器など回収しないことを前提で送りこんでいるのなら
 宇宙ゴミは増える一方だろう。まさに、「プラネテス」の世界だ。
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2016.02.26 / Top↑
 大人気のアニメ「おそ松さん」を知ったのが、不覚にも今年に入ってから。
 腐女子でなくても普通に面白いと思うが、
 声優の掛け合いにハマっている時点で、私も腐女子、いや貴腐人か。

 で、その六つ子のうち、
 幻の第1話でツッコミ役を一身に引き受けていたチョロ松こと神谷浩史が、
 あの草壁を演じるの? という怖いもの見たさで行ってきた「同級生」。

 この原作が激賞されていた当時、私の評価はさほど高くなかった。
 ナゼと言われれても困るが、漫画を楽しむにもスキルが必要なので、たぶんその頃は
 中村明日美子の「引き算の美学」を楽しむ技量が足りなかったんだと思う。

 それから6年。映画を見たら、思いのほか良いじゃないか。
 男が男に恋をする、という点を除けば、ふつうにキラキラ眩しい青春物語だけれど、
 原作の線のやわらかさ、台詞にない行間の感情の揺れとか、アニメにもよく生かされている。

 神谷さんも佐条役の野島健児さんも、私のイメージする声とは全然違ったが、
 ふとした瞬間、耳に飛び込んでくる草壁の声の艶に驚いたりして、
 「おコメが立つがごとく、声が立ってる!」。そこは素直に、声優すげえと思った。

 草壁と佐条のその先。そして、今回はあて馬ですらない原センの未来(とその彼氏)。
 原作はその先があるので、帰ってきてから久しぶりに読み返した。
 映画の後をたどって、得した気分だった。
  
2016.02.24 / Top↑
 サンキュータツオさんのアオリに釣られて観に行った映画は、
 私的に「めんどくさい性格のアニメ主人公№1」の七瀬遙の中学生時代の物語。
 
 確かにとてもいい作品だった。が、平日昼間のせいか館内は数名しかおらず(気まずい…)、
 自分がオタクだという現実を思い知る結果に。

 自由形の天才的スイマーでありながら、
 オリンピックを目指すなどの上昇志向のない遙は、
 周りから寄せられる期待がうざくて仕方がない。彼の口癖は
 「勝負には興味がない」「自分は(一番気持ちよく泳げる)フリーしか泳がない」。

 誰に対しても何に対しても熱量が低い主人公。
 テレビシリーズ「Free!」をさかのぼること4年前の物語は、
 高校生だった物語以上にハルちゃんがめんどくささをこじらせている。
 真琴と宗介は出てくるが、今回、渚と怜(と凛)はゲスト扱い。

 スポーツ物としては珍しく、ライバルに勝つために頑張る筋立てではなく、
 闘う相手はあくまで自分というのが新鮮だ。
 4人のリレーメンバーそれぞれが、
 タイムを縮めること以前に自分自身の悩みや弱さと向き合い、
 仲間との信頼を少しずつ築いてゆく過程が丁寧に描かれる。
 そこを乗り越えた彼らに、初めてリレーを闘うための覚悟ができたとき、
 青春を遠く離れたおばさんにも、なにか胸に迫るものがあるのだった。

 相変わらず、飛沫が命を持つような水の表現のリアルさ、美しさが素晴らしい。
 「ハイキュー!!」チームの声優が3人出演しているが、
 ブラコンの郁哉(内山昂輝)にはツッキーの面影があるものの、
 日野聡さんの芹沢尚(病気のためマネージャーになった中3)に、
 低音・大地さんの面影は皆無。プロはすごいな。

 アニメだから髪の色が紫とか黄色なのはとにかく、
 髪形がスタイリッシュで、自分のダサい中学時代とは隔世の感が。
 「千と千尋」のハクみたいな尚や、郁哉の兄さんなんか
 (まさにいろいろ不自由なはずの)中学生にはとても見えないのだが。
2015.12.09 / Top↑
 最近、「ハイキュー!!」目当てで毎週ジャンプを買っているので、
 映画に描かれた「週刊ジャンプ」のアンケート至上主義や、
 人気がなくなれば即打ち切りというあたり、現実に近いのかもなと思う。
 飛び飛びで買っていた頃、「こないだまでやってたアノ漫画、どこ行った?」
 ということがよくあったから。端的に言って、新連載は3ヵ月勝負みたいです。

 「努力」「友情」「勝利」は少年マンガ王道のテーマ。原作は1巻しか読んでいないが、
 プロの漫画家として「週刊ジャンプ」での連載を目指す高校生2人組の奮闘を
 ジャンプ誌上で描くという着眼点に、目からウロコ。
 映画のほうも、テンポがいいし、何より漫画(&漫画家)への愛にあふれている。
  
 前半は夢を追いかける若者の「努力」とパワーが炸裂し、
 後半は、それを持続させるプレッシャーと
 血尿が出るまで徹夜続きの過酷さが主人公に襲いかかり、
 ついに原稿を落としかけ、一時休載を宣告されるに至る。
 この「挫折」と「苦難」もお約束だが、
 彼らの窮状を救ったのが、ライバルの漫画家仲間による「友情」の共同原稿作業で、
 渾身の力で描きあげたその一本は、アンケート1位という「勝利」をもたらすのだった。

 夢が叶ったら叶ったで、もちろん天下は長く続かないが、
 ラストシーンで、また新しい希望に燃える二人の姿が爽やか。
 物語の中でくらい、若者の前途は(何度つまずいても)希望に満ちていてほしい。
 
 ついでに。
 佐藤健憧れのヒロインが美少女然として出てくるが、これはまあ、刺身のツマ。
 昔のヒロインに比べれば、強い意志を持って夢を追う女の子ではあるが。
 (その夢が「声優」っていうのが、ものすごく今日的)
 以前、伊藤比呂美が「スラムダンク」の晴子ちゃんに対して
 「男子バスケなんか追っかけるより前に、アナタ自身にやりたいことはないわけ?」
 という意味の感想を述べていたのを思い出す。

 スラダン終了から20年。
 ジャンプの部活物における女子像って、どう変化しているのだろう。
 女子を主人公にした作品もちらほら出てきてるが、まだお色気頼みという気がする。 
 
2015.10.15 / Top↑
 ビル・マーレイの出演作を見るのは「ブロークン・フラワー」(2005年)以来。

 この人の「鉄仮面」効果は絶大で、どんなキャラクターにも含みがあるように見える。
 今回の役は偏屈で嫌われ者、無職で金に困っている初老の男。
 このヴィンセントと、隣に越してきたシングルマザーの母親とひ弱な男の子の交流を描き
 そこそこ笑えるし、感動的なシーンもあるのだが、
 終わってみればあと何かひとつ足りない感じがする作品。

 物語のクライマックスは、
 初対面時の嫌悪感から次第に彼に親しみを抱くようになるオリバー少年が
 学校の「自分の身近な聖人」を紹介するスピーチコンテストでヴィンセントについて語り、
 会場に足を運んだ彼が「聖人」として表彰されるシーンだが、
 個人的には、そんな立派な話にしなくてもよかったのではと思う。
 もっとちょっとしたエピソードで、ヴィンセントが「本当は孤独で、でも優しい人」という
 キャラクターは十分生かせた気がする。
  
 実際、ゴールデングローブ賞にノミネートされたが、受賞は逃している。
 ビル・マーレイやメリッサ・マッカーシー、ジェイデン・リーベラー、
 ナオミ・ワッツは好演しているけれど、
 脚本に今一歩工夫があればと思う。
 くだんの賞を逃したのも、それが理由ではないかと。

 エンドロールではビル・マーレイがボブ・ディランをまるまる歌ってます。
 (楽しそうな脱力歌唱)
2015.09.14 / Top↑
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