見たり読んだり、なにか発見したり。

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ダニー・ボイル監督、本年度のアカデミー作品賞。イギリス映画。
 
 圧倒的なエネルギーとパワー、ダイナミックなストーリー展開にぐいぐい引き込まれた。なんというか、映画を観る喜びがじわじわ湧き上がってくるような作品。ひとことで言えば、

 ああ、観てよかった。

 身もフタもない感想で、申し訳ない。いわゆるインド映画のテイストを十分生かしながら、これをイギリス人が作ったということも、しみじみと感慨深い。
 スラムドッグ(スラムの負け犬)が、「クイズ$ミリオネア」に出演して、億万長者になるチャンスをつかむ過程を描きつつ、彼の一途な初恋の行方も盛りこんで、退屈する間も考え込む間も与えないジェットコースター・ストーリーは、大盤振る舞いのエンターテインメントだ。脚本のサイモン・ビューフォイの手腕は見事のひとことに尽きる。

 正直、前半のジャマール&サリーム兄弟を襲う過酷な人生は、観ていてかなりつらかった。貧乏で教育も受けられない弱者が生きぬくためには、犯罪を犯したり体を売ったりする以外に選択肢がないという現実。それは、世界中のいたる所で今も存在している。生まれてきた環境によって命が脅かされるような世の中は、まずおかしい。それを変えることが先決だろうよ、とも思う。

 でも、それはまた別の話で、人間は泥の中で花を咲かせることのできる強い存在だということを歌いあげたこの映画は素晴らしかった。ラストに向けて話が駆け足になるというか、サリームの“改心”が説明不足のきらいはあったけれども。

 でも、この映画の予告編で流れた「eatrip」は、いま流行のスローライフ&スローフード、ロハスを地でいく作品らしく、ある意味、本編と真逆。自分や家族の食べるものは安全安心、自分たちは自然の一部として生きていたい、といった考え方はまったく間違っていないと思うのだけど、食べる物を選べる立場にないジャマールたちのような人たちからすると、どこの世界の話だ? ということにならないか。

 この違和感がもたらす「現実」について、ちょっと考えてしまった。
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2009.06.03 / Top↑
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