見たり読んだり、なにか発見したり。

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 昨年に引き続き、談春師匠の独演会。
 土曜開催と、比較的チケットがとりやすそうだったので足立区の会場を選んだが、
 ウチの最寄駅から西新井駅まで、一本で行けるのには驚いた。
 便利な世の中になりました。1時間強、座りっぱなしでお尻は痛かったが。

 演目は2部制で3話の予定だったらしいが、流れで1話ずつに。
 ちょうど落語協会の新会長に柳亭市馬師匠が内定というニュースがあって
 それにエールを贈るかたちで、
 「がんばれ市馬」という業界の裏話が演目に取って代わった。(笑)

 会長職はものすごく激務らしいので
 ご自愛ください、市馬師匠。

 最初の演目は「棒鱈」。棒鱈には、酔っぱらいとか野暮天の意味があるそう。
 飲み屋でクダを巻く熊さんと、それをなだめる寅さんの隣室で
 田舎侍が芸者相手に飲み始める。バッキバキの田舎言葉、あかぬけない振る舞い、
 あげくみょうちきりんな歌をがなり始め、
 酔っぱらいの熊さんがキレて、2人でトラブルになる。
 斬ってやる、斬ってみろと大騒ぎになるなか、止めに入った板前が持っていた胡椒を
 振り回したものだから、全員くしゃみをしてまたまた大混乱。
 気勢をそがれたところで、「故障(胡椒)が入りました」とサゲ。

 前回聴いたのも酔っぱらいの噺(らくだ)だったが、
 今回もへべれけになった男が主人公。難しいことの何もないシンプルさ、
 面白くてケラケラ笑った。でも、談春さん自身はほとんど飲まないらしい。

 次が「お若伊之助」。三遊亭円朝作といわれ、別名「因果塚の由来」とも。
 大店「栄屋」の娘・お若さんが色男の芸人伊之助と恋仲になるが、
 所詮は身分違い、本人の知らぬ間に別れさせられてしまう。
 それというのも、伊之助を栄屋に紹介した頭の勝五郎が女将に頼まれ
 伊之助に手切れ金を渡し、今後一切お若さんと関わるなと言い含めていたから。

 
 お若さんは根岸に道場を構える高根叔父さんに預けられ、
 絶望した若い娘は、体調を崩いて寝たり起きたりの生活に。
 それから1年――。
 別れたはずの伊之助が夜な夜な根岸に通ってくるようになり
 お若さんは喜び、たちまち体調も回復、ふたりは逢瀬を重ねる。

 まもなくお若さんが身ごもったらしいことに気づいた高根は、
 毎夜通ってくる男が伊之助であることを知り、怒り心頭。
 その場でぶった斬ってやろうと逸る気持ちを抑え、
 とりあえず真偽のほどを確かめようと、頭の勝五郎を呼び出す。

 高根に、昨夜伊之助が根岸に来たと知らされ怒り狂った頭は
 両国にいる伊之助のもとへ走り、てめえどういう了見だ!と責める。
 ところが伊之助は、自分ではない、そもそも昨夜根岸に行くのは無理ですと。
 「だって、昨夜は頭と吉原までご一緒したじゃないですか」
 「……そうだよねえ」
 頭は、その足でまた根岸まで走る。高根に昨夜伊之助と一緒だったと説明すると
 「なぜそれを先に言わん」
 「……ですよねえ」
 でも朝まで一緒だったのか、芸人は同じ宿には泊まれぬはず、お前と別れたあと
 駕籠を使って根岸に来るのは可能だと高根に言われ、
 はっ、そうだあの野郎!と頭は再び両国へ。
 「確かに普段は別の小屋ですが、昨夜は頭が私にグチを聞いてほしいと言って
 同じ部屋で朝まで話していたじゃないですか」
 「……だよねえ」
 
 この勝五郎が根岸と両国を行ったり来たりするところが、最大の見せ場。
 気が短くてそそっかしい勝五郎は、考えるより先に行動してしまい、
 ものすごい早口で喋りまくる。そのテンポと勝五郎のウッカリぶりが可笑しい。
 談春さんはお若さんの描写はト書きのように説明し、
 おもに男だけを演じるのだが、こういう手法は新鮮だと思った。

 結局、根岸に現れた男は伊之助ではないことがわかった。
 正体を突き止めるべく、その夜、頭と高根が待ち伏せしていると
 (頭は昼間のマラソンの疲労で、酔って寝こけている)
 その男がお若さんの部屋に忍びこんできた。
 踏み込んだ高根は男を撃ち、お若さんは気絶。

 撃ち殺した男は、なんと狸だった。
 1年前根岸につれてこられた若い娘が、毎日伊之助恋しと嘆き悲しむので
 それを見ていた狸が、伊之助に化けて現れたのだった。

 本来の噺ではお若さんは双子の狸を生み、それが死んで塚を建てるそうだが、
 談春版ではタヌキの死とともにお若さんのお腹はしぼみ、
 こんな騒ぎになってはもう嫁の貰い手もないだろうと、
 お若さんは伊之助と夫婦になる。で、私たちを結びつけたのが狸だから
 塚を作って弔いたいと申し出るのだった。

 なんでラストを変えたかというと、師匠いわく
 「だって狸の子を生むの、気持ち悪いでしょ」だそうだ。(笑)
 
 こちらも面白かった。人外の子を宿すという話は
 小説を除けば、ドラマや映画ではなかなかお目にかかれないだろう。
 あれ、エイリアンってそういう話だっけ?(←見たことない)
 
 とにかく、落語の自由さはスゴイってことです。
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2014.04.20 / Top↑
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