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 ガス・ヴァン・サント監督、2008年アメリカ。今年度アカデミー賞では最優秀主演男優賞(ショーン・ペン)&最優秀脚本賞(ダスティン・ランス・ブラック)を受賞。

 同性愛者であることを公表してアメリカで初めて公職についたハーヴィー・ミルクの、40歳の誕生日から48歳で亡くなるまでの物語。マイノリティであることが単に「生きにくい」というレベルの話でなく、職を失ったり迫害されたりといった人権の危機だったこと、そのために闘った人々がいたことを知った。30年前の実話だが、当時ボンクラ小学生だった私はそれを知らない。
 差別と偏見に対して自分たちの声を届けるには、公的な力が必要だと気付いたミルクが仲間を募って政治運動に没入し、3度の落選の末にサンフランシスコ州の市政執行委員(市政の監査役)になり、「提案6号」(同性愛者を教職から追放する権利を認める内容)を廃案に追い込むべく奔走するというのがメインストーリー。
 ミルクは射殺され、1年という短い政治生命を終えるが、それを描きながらあまり悲愴感がないのは、ミルクの信念が結果として表れているからだろうと思う。その一方で、この勝利の数年後にエイズが発見され、同性愛の人たちをとりまく状況が激変したことも意識せずにはいられない。
 
 映画の冒頭、40歳の誕生日に20歳下のスコットをナンパしたミルクは、その晩のピロートークで「もう40歳なのに、誇れることをまだ何もしていない」と呟く。ドキッとしたのは私だけではないかもしれないが、まったく同じことを思っているのに、いまだなんの努力もしていない自分を省みてしまった。人生は何かを成し遂げるには短いが、何もしないでいるには長すぎる。
 思わぬところで、半裸のショーン・ペンに反省させられたっす。
 
 以下、蛇足。
 その1.ミルクおよび彼の理解者だったマスコーニ・サンフランシスコ市長を銃殺した元市政執行委員ダン・ホワイトのその後について。ダンの弁護士は犯行理由を「ジャンクフードの食べすぎで判断能力を欠いた」と主張、禁固7年(最短刑期)の判決が下ると、それに抗議した市民デモ「ホワイト・ナイトの暴動」が起きたという。結局ダンは5年後に仮出所し、自殺した。なぜ彼が命を絶ったのか、検証した資料はあるのだろうか。
 その2.スコットと別れた後にミルクが付き合うジャック。美しいだけがとりえで自分本位、異様な寂しがり。政治家であるミルクを独占できないことに絶望して首を吊ってしまうのだが、正直、この手の人には感情移入しにくい。でも実話だと思えば、逆にリアルな気もする。
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2009.04.23 / Top↑
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