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 今年のアカデミー主演男優賞と主題歌賞受賞作。
 見終わってみれば、その賞を裏付けるように、ジェフ・ブリッジスの熱演(とくに各種のゲ○吐き演技)と渋い演奏&歌、全編に流れる滋味あるカントリーミュージック、そしてアメリカの乾いた大地をどこまでも続く道、がつよく印象にのこった。 
 タイトルの「クレイジー・ハート」は〈荒ぶる魂〉の意。落ちぶれた往年のカントリーシンガーが、地方紙記者のシングルマザーとの恋愛をきっかけに、もう一度人生をやり直す「男の生きざま話」で、最近のハリウッドがわりと好んで取り上げる題材といえるかも。

 どちらかといえば地味な映画だと思うし、主演男優賞で注目されなければ日本公開もあったかどうか。
 20年来のジェフ・ファンとしては喜ばしい限りだが、彼にはそれなりに思い入れがあるので、内容的になんだか感想が書きにくいのだった。

 とはいえ、いい作品であることは保証します。

 【以下ネタバレ】
 前半のジェフ(バッド・ブレイク)はひたすらダメ男。吐くまで酔いつぶれた人間は、汗まみれでヨレヨレなものだが、そのドロドロ感をクマ体形でリアルに演じています。アル中、ボロボロの内臓、新曲が書けないスランプ、かつての弟子に追い越され、今や前座に甘んじるしかない屈辱……と、バットを取り巻く状況は絵に描いたような負の連鎖だ。

 そんな彼がシングルマザーのジーンとその息子と出会い、ささくれ立った気持ちを癒やしていく。4度の結婚に失敗し、20代の息子とは離婚以来一度も会っていないバットにとって、もう一度家族をもてるかもしれないという希望は一筋の光明だった。にもかかわらず、彼はその大切な関係を酒の失敗で失ってしまう。

 ジーンに去られ、落ちるところまで落ちて、初めて「まともな人間になりたい」と願うバッド。旧友のロバート・デュバル(いい味を出してました)の助けを借りて断酒施設に入り、長く書けなかった新曲にとりかかる。そうして過去のダメ男と決別し、ジーンに会いにいくが……。

 この先のストーリーは、人によって感じ方がちがうかもしれないが、ひと言でいって“大人の選択、大人の対応”です。

 ジーンは結局、バッドとやり直す道を選ばず、バッドもそれ以上ジーンを追わない。
 ラストシーンは1年半後。バッドはシンガーソングライターとして見事復活していた。
 舞台上にバッドの昔の弟子で人気絶頂のカントリー歌手(コリン・ファレル)がいて、「このすばらしい歌を聴いてください」と言い、バッドが書いた曲を歌い始める。断酒施設から出たバッドがギターを弾きながら作っていた「クレイジー・ハート」だ。バッドはそれをマネージャーと一緒に舞台裏で見ている。バッドが売れない頃は険悪な関係だったマネージャーは「本当にいい曲だ」と感慨深げにつぶやきながら、「(この曲がヒットし)また印税が上がったぞ」と、バッドに小切手を渡す。

 小切手を受け取って会場をあとにしたバッドは、そこでジーンと再会する。その後新聞社を替わった彼女は、復活を遂げたバッド・ブレイクの取材に来たのだ。懐かしげに彼女の手をとるバッドの目に入ったのは、指に光る指輪。「彼、いい人よ」とだけ言うジーンに、バッドは今もらったばかりの小切手を「息子にやってくれ」と渡す。ジーンは固辞するが、かつて幼い彼を傷つけたお詫びだと語るバッドの目は穏やかで、「それじゃ、取材を受けようか」と応じるところで終わります。

 先に“大人の選択、大人の対応”と言いましたが、個人的には、

 バッドにもう少し華をもたせてほしかった。

 立ち直ったバッドに「大人の包容力」や「ふところの広さ」を求める向きには納得のラストだろうが、私は復活したバッドがシンガーとしてスポットライトを浴びるシーンが見たかったし(というか、絶対にあると思っていた)、ジーンとの恋愛がうまくいかないという展開はともかく、バッドと実の息子との再会は実現してもよかったと思う。

 J・ブリッジスは最近“引きの渋さ”が目立つけど、あえて“攻めのカッコよさ”を見たい。

 蛇足ながら、「もう男はコリゴリ」とか言ってたわりに、ジーンが再婚するの早くない? と思ったのは私だけ?
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2010.06.21 / Top↑
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