見たり読んだり、なにか発見したり。

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 三浦哲郎氏逝去(8月29日、享年79)の悲報にショックを受けつつ、
 追悼として、本当に久しぶりに「忍ぶ川」(新潮文庫)を読む。
 初めて読んだのは10代の終わりくらいで、当時は正直、その味わいがよくわからなかったが、
 いま読むと、こまやかな感情がしみじみと染み渡る佳品だと思う。

 三浦作品といえば、長編「白夜を旅する人々」(1984年)が忘れられない。
 雪深い北国のお国ことばで紡がれる、悲しくもいとおしい、ある家族の物語。
 三浦さんは不幸な形でつぎつぎ兄姉を喪った生い立ちをもち、「忍ぶ川」をはじめ
 自身に流れる「血」について私小説的な手法で書き綴ってきたが、
 これらの作品が熟成され、渾身のフィクションとして実を結んだのが「白夜~」だろう。
 
 短編集「モザイク」や随筆の数々も好きだった。
 中でも、苦労の絶えなかった母親を題材にした作品がとくに心に残っている。
 私は、男にとって母親が特別な存在であると三浦作品から学んだ気がするし、
 歴代の芥川賞受賞者のなかで、まちがいなく一番読んだ作家だった。
 
 心よりご冥福をお祈りいたします。
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2010.08.31 / Top↑
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