見たり読んだり、なにか発見したり。

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 ある日とつぜん、知り合いの「要請」にのっかる形で出版社を起こした女性が、
 右も左もわからない状態から、
 社員一人の出版社をなんとか軌道に乗せるまでの5年間の奮闘記。
 
 著者と私はほぼ同世代。
 ワーキングホリデーを足がかりに豪州で9年間暮らした経歴があり、
 どこで何をやっても生きていけそうなバイタリティと、
 いい按配の楽観的な性格に惚れ惚れしてしまった。
 失敗し落ち込むことはあっても、安易にあきらめないし、
 また腐りもしない。地道に進みつづける姿勢には、学ぶべき部分も多い。

 私は現在の就職難がウソのような、最後の「売り手市場」時代に
 就活をしていた。(私たちの世代の女を“バブル女”というらしい)
 しかし臆面もなく狙ったのがすべて大手マスコミで、
 何のコネもないうえに本人も無能、当然、1次試験のレベルで滝のごとく続々と落ち、
 やっと引っかかったのが小さな編集プロダクション。
 うちの社長は「出版社は大変だから編プロをつくった」と公言する人で、
 無能社員A(私)は「どんなに弱小でも出版社だったら夢が叶ったのに」と腹の中で思った。
 編プロは出版社の下請け、自分たち(の会社)は版元にはなれない。
 それが、編プロは出版社より格下と思っていた理由だ。

 あれから約20年がたち、(つぶしがきかないので)今も出版界の片隅で
 フリーランスとして食っているわが身。本書を読みながら、
 当時社長が言っていた「出版は大変」という言葉を思い出した。

 取次口座を取得しないと出版社になるのは難しいとか、
 返本&在庫のリスクとか、再販制度と委託制、
 煩雑な書類・伝票処理etc.……
 納品や返本、取次への献本の扱いなど、恥ずかしながら知らないことばかりで、
 実用書としては大雑把かもしれないが、役に立つ情報が多い。

 なにより出版業にたいする著書の愛と、
 あくまで「分相応に」頑張り続けようという冷静な視点が両立していることに
 心ひかれた。
  
 就職氷河期といえば、
 中国も日本同様、大学生の就職難が問題になっているのだとか。
 (その不満が、反日デモが激化している理由のひとつともいわれる)
 反面、中国には、就職できる会社がないなら自分でつくっちゃえとばかり、
 言葉も話せないまま諸外国にどんどん進出し、起業してしまう若者も多いらしい。

 日本では外国で起業どころか、海外での研究を志す学者も、海外旅行もする若者も
 減っている。バブルがはじけた後の元気のない大人を見て育った若者世代には
 「海外で一旗あげてやる」的なガツガツした発想はないし、
 就職失敗=人生脱落のような気持ちになってしまうんだろうね。

 世界は、今見えているものや、突きつけられた現実だけで成り立っているのではなく、
 必ず、目に見えないけれど存在する力や、苦境を回避する方策がある。
 だいたい、私たちがああでもない、こうでもないとジタバタ悩むことは、
 先人も悩んできたことであり、彼らはそれに対処する知恵を授けてくれる。
 
 若者には就職で失敗しても自分を卑下することなく、佃さんみたいにしぶとく生き抜く
 強さを持ってほしい。その点、見習うのは中国の若者でもいいと思う。

 そしておのれを振り返れば、 
 人脈、というか人とのつながりの薄い日常を反省する。
  
 
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2010.10.21 / Top↑
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