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 ちょうど1年前のお話です。

 佳乃(かの)ちゃんは小学3年生。2人の妹がいる、しっかりもののお姉さんです。
 家族は両親とおばあちゃんを入れて6人。妹は佳絵(かえ)と佳菜(かな)。
 お母さんは「3人に同じ漢字をつけるの、カッコいいでしょう」と言うけど、
 名前をつけた本人がしょっちゅう3人を呼び間違えるのが、ちょっと迷惑です。
 
 佳乃ちゃんの将来の夢は、東京大学に入ること。
 お母さんとおばあちゃんがそう言うし、本人もその気だけれど、
 将来なにをしたいかは、まだ決めていません。

 この夏から佳乃ちゃんは、妹2人といっしょに日本舞踊を習っています。
 地域の子どもに日本の伝統文化を教えるという催しがあって、夏休みや冬休みを中心に
 市民センターに通って習うのです。お正月明けの最後の日が発表会で、
 むかし日本舞踊を習っていた佳乃ちゃんのおばあちゃんは、
 楽しみにしているからがんばってね、と言ってくれました。
 
 さて、12月のあるおけいこ日の休憩時間のこと。
 佳乃ちゃんは助手のK先生とおしゃべりしていました。今日は妹2人はお休みです。
 先生が「佳乃ちゃんもサンタさんに欲しいものお願いするの?」と言ったので、「もうした」と
 答えたあと、ふと思いついてたずねました。「サンタさんてどこから入ってくるのかな」
 佳乃ちゃんはずっとひっかかっていたのです。
 クリスマスの朝にはベッドの脇にかならずプレゼントが置いてあるけど、
 サンタさんはどうやって部屋に入ってくるんだろう。
 うちは暖炉もないし、玄関でピンポンを押したらみんなに見つかっちゃうし。
 それに、佳乃ちゃんにはそぼくなギモンがあったのです。  

 「窓から入ろうとしたら、うちセコムだから通報されちゃうでしょ」

 先生は一瞬へんな顔をして、それからゲラゲラ笑いました。「そうだね、セコムだと困るよね」
 そこへ、ちょっと前から佳乃ちゃんたちの話を聞いていたらしい4年生の祐真くんがきて
 「オレ知ってる。サンタってお父さんなんだよ」。同じく4年生の彩加ちゃんも、
 「お父さんとお母さんがプレゼントを買うんだよ」と言いました。

 すこしショックをうけた佳乃ちゃんでしたが、祐真くんたちの言葉ではっきりしました。
 「やっぱりサンタっていなかったんだ。今年確信した」
 でも佳絵と佳菜には言わないでおこう、と佳乃ちゃんは思いました。

 お父さんやお母さんが知らない秘密を、佳乃ちゃんがひとつ持った日。

 
 
  
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2010.12.15 / Top↑
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