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 あけましておめでとうございます。かたよった趣味に加え実益も皆無の日記ですが、
 今年も忘備録がわりにポツポツ書くつもりですので、
 よろしければお付き合いください。

 正月休み最終日に見た2011年の初映画は、
 加賀藩の御算用者(会計係)をつとめた猪山家3代(主人公は2代直之)の家族の物語。
 融通の利かない堅物の直之は、その生真面目さゆえ周囲から「そろばんバカ」と
 揶揄されている。が、そんな不器用な男にも矜持はあって、
 それが上役に疎まれながら藩のお救い米をめぐる不正を暴いたり、
 借金がかさんで立ち行かなくなった猪山家の家計を立て直すための
 十数年にわたる徹底的な倹約生活に発揮される。

 直之の上役として、吉田朝改めヨシダ朝さんが出ていて、
 おおー、これは正月から縁起がいいとニンマリ。
 ヨシダさんと主演の堺雅人は、年齢は一回りほど違うが、
 ともに同じ大学の演劇研究会の看板俳優だった。
 学生演劇からプロになった2人の共演に、内容とは関係なく感慨にふける。
 最近ヨシダさんをTVで見かけないし、舞台でも名前を聞かないと思っていたが、
 森田芳光監督作品にはけっこう出ているらしい。
 
 贅沢に慣れた父や母、祖母が傾いた家計の立て直しをはかる直之の指示にしたがい、
 断腸の思いで家財道具を売り払うことに同意し、
 質素な生活を諾々と受け入れる姿は、切なくも可笑しい。

 現代の日本で、子が親の仕事を継ぐといえば
 自営業やステイタスの高い職業に限られるのだろうが、
 近代までは子が親の職(地位)を継ぐのが当たり前だった。
 子は親を絶対としてその教えを骨の髄まで学び、長じて代替わりすれば
 親は隠居して「老いては子に従え」となる。
 そう遠くない時代まで、日本ではこうして「家」が守られてきたのだ。

 直之の子・成之はそろばんのことしか頭にない父に反発を覚えながら育ち、
 幕末の激動期に藩の方針をめぐって父と衝突もする。
 それでも結果的には、父が叩き込んだそろばんの技能(会計能力)のおかげで
 成之は明治新政府で要職につくことになる。
 生真面目で融通のきかない一人の男が、その技能によって家族を守り子どもの未来に
 大きな贈り物をしたというこの話は、実話が基になっているという。
 
 幕末という混乱期であることを除けば、基本的に地味な話ながら、 
 ダレることなく面白く見られた。唯一、違和感があるとすれば、
 映画スターのいなくなった日本で、日常が透けて見える俳優たちが時代劇をやる
 という点に尽きるが、それはもう言っても仕方がないことだし。

 堺雅人は笑ったような困ったような顔が何の役をやっても独特で、
 これが善良にも腹黒くも見える。顔芸とはちがうけれど、
 彼のこの不思議な表情にこそ
 TVや映画で一線を張るようになった秘密が隠れているんでしょう。
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2011.01.06 / Top↑
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