見たり読んだり、なにか発見したり。

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 休憩を入れて3時間10分、たったひとりで舞台を勤め上げる師匠を見ながら、
 このクオリティにもってくるまでどれだけ稽古を積んだのか、と気が遠くなった。

 ひとり芝居でさえ長くても1時間半。落語と芝居は違うとはいえ、
 3時間、ひとりで空間を支配することのとてつもなさ、尋常なさがわかろうというもの。
 
 三遊亭圓朝が明治17年(1884)、15日間、30時間にわたって高座にかけた噺を
 2人の速記者が記録したのが、圓朝版「怪談牡丹灯籠」。
 志の輔版「牡丹灯籠」はそれをぎゅっと凝縮し、
 前半はフリップを使った人物相関図の「講義」、後半が落語という構成をとる。

 死んだお露が恋人新三郎を取り殺すくだりが、一般に知られる「怪談牡丹灯籠」。
 でもその場面はほんの一部で、全体を知るとあまり印象に残らない気すらする。

 
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2015.07.21 / Top↑
 長塚圭史作・演出・出演、出演は首藤康之、近藤良平、松たか子。

 「子どもも楽しめる演劇」と銘打っているが、大人も十二分に楽しめる。
 楽しめるというか、そこそこ怖い話なので、この何やら得体のしれない不気味さを
 子どもはどう受け止めるのかな、と想像したりしました。
 
 首藤さんと近藤さんという、今日本でいちばん精力的なダンサー2人が、
 こちら側の「たなか」とあちら側の「かなた」を鏡映しに演じる。
 パントマイム様の2人の掛け合いがおかしく、
 そのシーンでは子どもの楽しそうな笑い声が上がっていた。

 たなかとかなたは、松たか子演じる女性を同時に好きになる。
 松たか子にも、「もうひとりの自分」である長塚圭史(もちろん女装)という存在があり、
 男たちに積極的に迫ってくるが、彼女を邪魔に思うたなかとかなたの計略で
 海に突き落とされてしまう。

 話がサスペンス風味を帯びてきて、もはや子ども向けかどうかもわからない(笑)
 たなかとかなたは松たか子をめぐって争いはじめ、そして最終的にある結論を出す。
 その結果、女は――。
 なんか、トッド・ブラウニングの映画『フリークス』を思い出してしまった。

 松たか子はこれが出産後初の舞台。3ヵ月ちょっとで体力的にきつい舞台の仕事を
 こなすのはさすがだし、逆にいえば、そのくらい強靭でないとプロとは呼ばれないのかも。
2015.07.16 / Top↑
 談春師匠(同い年)の30周年記念落語会のスピンオフということで、
 誰が出て何をやるのか、まったく予備知識がないまま行ってきました。

 そもそも、落語は小朝&談春&志の輔しか聴いたことがなく、
 いろんなタイプの噺が聴けて思いのほか楽しかった。
 メクリがないので、現場では何のネタかわからずに聴いていたが、
 帰ってきて自分で調べてみた。(といっても、普通にキーワード検索で)
 便利な世の中になりましたなあ。

 柳家小せん(1974年生まれ) ※あくび指南
 春風亭一之輔(1978年生まれ) ※浮世床
 桂吉坊(1981年生まれ) ※遊山船
 春風亭一蔵(1981年生まれ) ここだけ内容を度忘れした……

 どれもとても面白かった。とりわけ一之輔さんは、これからどんどん人気者になるんだろう、
 と思わせる勢いがある。マクラもめっちゃ可笑しく、東武野田線の旧型車両を「サンポール色の電車」と
 評したときは、ツボに入って思わずヘンな声が出てしまった。
 あるいは、吉坊さんのおっとりした上品な語り口。上方落語を知らない自分には新鮮だった。

 4人が一席ずつ演じたところで、5人そろっての口上。
 これもお腹をかかえて笑った。同じ一門でないからこそ気の置けない関係なのかも。
 
 談春さんの噺は「妾馬」。頭の弱い八五郎が主人公で、
 お殿様のもとに奉公に出た妹が「およとり」を産んだという知らせを受けて、
 お祝いとあいさつのため、お殿様のところに出向く人情話。
 「およとり」は「世取り」つまり男児のことだが、八五郎は妹が鳥を産んじゃった、そら大変だと大騒ぎ。
 そんな男が御屋敷で引き起こすドタバタで笑わされ、
 老母に孫の顔を見せたいとお殿様に切々と訴えるところで泣かされる。

 落語は想像力なくして楽しめない芸能だと思うが、
 面白い噺を聴くと、ふだん使ってない脳が刺激されるような感じがする。
 老化防止にもうってつけです。
2015.06.27 / Top↑
 今年で6回目の開催となる「TACT/FESTIVAL」の演目のひとつ。
 海外からアーティストを招き、大人も子どもも楽しめるパフォーマンスを披露するフェスで、
 要はGW向けの催しとして始まり、現在まで続いているらしい。

 クレール・リュファンという人はまったく知らなかったが、
 フィリップ・ジャンティと同じフランス人で、イリュージョンだの、シュールなユーモアだのという
 チラシの内容に興味を惹かれた。

 正味1時間のコンパクトな舞台は、芝居よりはパフォーマンス寄りで台詞はない。
 物語を引っ張るのは演者の女性がベッドの上でおこなう動きと、
 可動式の台に座ってチェロを弾く奏者のBGMのみ。
 このチェロの音(音楽というよりはノイズっぽい)が台詞代わりという感じか。

 不眠症の女の格闘がテーマだが、天井からぶら下がった無数の枕のオブジェが
 縦になったり斜めになったりして、舞台に浸食してくるのが印象的。
 こういう空間の使い方は、日本の芝居にはあまりない気がするけれど
 たいした数を観ているわけでもないので、あくまで個人的な感想です。(通販風)

 もう一人、登場人物が天井に待機していて(もちろん観客は知らずに観ているが)
 彼は上で枕を操作している。美術のカミーユ・ボワテルで、去年のフェスにも出演したそうだ。
 本人は長身の男性だが不眠症女と似た恰好をしていて、
 突然、天井から脚がにょっきり突き出して下に降りてきたと思ったら
 ドレス姿で女を追いかけまわし、最後は華麗に懸垂してまた天井の上に戻っていった。

 正直、ストーリーは有ってないようなものだが、
 ベッドや枕の使い方が面白いし、演者の女性の動きもよかった。なにせ外国人の身体は美しい。
 大がかりな舞台ではないので、海外公演などもしやすいのだろう。
 もし来年もこのフェスがあるなら、
 他の舞台と2、3本立てで観ると(セット券もあった)、さらに満足度が増すと思う。
 
  
2015.05.13 / Top↑
 女性5人の舞踊グループ、珍しいキノコ舞踊団。
 CMなどのイメージから、キャッチーな感じなのかと思っていたが、
 オープニングの大野慶人さん(大野一雄さんの御子息!)作「霧笛」は、いわゆる舞踏。
 テーマが「平和の祈り」で、5人がほとんど交わらずに、ひたすらゆっくり動く。

 舞踏にはぜんぜん詳しくないし、正直、よくわからない世界だが、
 素人目にも、こういうのにあまり慣れていないのかと思うような踊り手も。
 今回なぜか最前列が取れてしまったので、静止時にプルプル震えているのが目に入ったりする。
 キュッキュッと軋む床の質感だけが妙にリアルで、テーマはなかなか立ち上ってこない。
 大体がそういうもの? そうなの? 
 なんとなくいたたまれない感じで1部が終わる。

 2部は天久聖一プロデュースの「とっても風流」。
 近未来風スペースファンタジーに、和物の風鈴の組み合わせ。
 普段はこういうレパートリーを得意としているのか、みな楽しそうだった。
 「白鳥の湖」をバックにバレエでないものを踊るのは、ちょっと背徳感?があって
 面白い。といいつつも、メンバーはたぶんバレエ経験者だと思うが。

 3部の主宰・伊藤千枝さん主演「Mr.Dの日常」は
 演劇風というか、日常と地続きの軽やかで明るい踊り。
 ストーリーが明快なぶん、感情の発露というよりも言語(=説明)に近い印象を受けた。
 日記を書くようにダンスを踊る、といったらいいかしら。

 結論としては、明るくて楽しい、日常感いっぱいのカジュアルな踊り。きれい。可愛い。
 ハテ、私は何を期待してダンス(舞踊)公演に行くんだろうと思うわけだが、
 異次元というか、すごいところに連れていってくれるパフォーマンスに出会うため、
 であることは間違いない。
 
 さて、次は(未知の)誰の踊りを観に行こうか。
2015.03.28 / Top↑
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